2010年4月30日金曜日

タンゴの響きは、鳴り響いたか?

毎月「奇数」の記事をアップするのが、
このBlogの習わしなので、取り急ぎ、もう1つ書きます!

今回の「ライブ・イン・クライネ・ウィーン」では、
「飛び出す音楽」の表のテーマとは別に、
裏テーマ「タンゴの色香を漂わす」がありました。

それが、チラシにも記載しておいたピアソラの言葉、

タンゴにパステル調なんて考えられない。

ということでもあると思います。

これまで自分たちの録音を聴いていると、
我々の音色から感じられるのは、「素朴さ」でした。

他の音楽ならまだしも、ピアソラの音楽では、
このままではならぬ! 素朴さ撤廃だ!
と思い続けるバイオリン弾きでありました。

もっと、ポルテーニョ(ブエノスアイレス)の音楽、
タンゴの響きが、強烈に香ってこなければ!

そういうわけで、練習の度に、
各自の楽器で、タンゴっぽさを表すには、何が必要か?を
問い続けました。

マエストロも、常々「自分の頭で考えて、考えて、考えること」と
おっしゃっていました。

たぶん、教わるものではなく、
自分で感じ取って、楽器に込める、ということなのではないかと。

バイオリンの場合は、

とにかく素早くて、アタックの強烈なボーイング、
そして、速くて深いビブラートのかけ方と、
随所に散りばめるテヌートの輝き、

このあたりに、技術的な解決を見出しました!
(どれ一つ、このようなことは、譜面に書かれていません!)

どれもこれも、イザ弾いてみても、
なかなか「らしく」聴こえてこない難しさがあります。

が、果敢に挑んでいくまでです。

何度か、録音を繰り返すうちに、恐らくは、1年前とは
雰囲気の違う音楽に転じてきたような「気配」を感じ始めました。

明らかに、ある楽器の変化は、別の楽器へも振動・共鳴し、
互いに影響し合ったことと思います!


そして、既に何度か聴きにいらしている方々にも、今回、
今までとの「違い」をはっきり感じていただきたくもありました。


その結果、皆さんのアンケートからは、
恐らく、これまでには無かったようなご感想が寄せられました!


「テンポの早い曲は疾走感や躍動感が凄くかっこよく心地よかった」

「泣いているようだったり、ポンポン弾いて楽しそうだったり、
重厚な感じやコケテッシュな感じに変わるので驚き」

「せつない感じがよく出てた」

「外は晴れていましたが、ここはどこか湿っぽく哀愁に満ちた
 空間になっていました」

「改めてピアソラのレパートリーの広さに驚いた」


たった三つの楽器で、感情や情景やタンゴの魅力を
表現できたかと思うと、あるところまで、たどり着いたかのように感無量です。

もちろん、まだまだの部分はありますが、
意図したことが、表現できるようになりつつあることを実感でき、
私たちは、このライブに挑戦できて良かったと、
つくづく喜びを感じているのでした。

しかし、やはり、ライブでは「やり遂げられなかった」ことを
やり遂げるために、5月は、初の「スタジオ録音」に挑みます。

また、この経過も書いていきたいと思います。

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