毎月「奇数」の記事をアップするのが、
このBlogの習わしなので、取り急ぎ、もう1つ書きます!
今回の「ライブ・イン・クライネ・ウィーン」では、
「飛び出す音楽」の表のテーマとは別に、
裏テーマ「タンゴの色香を漂わす」がありました。
それが、チラシにも記載しておいたピアソラの言葉、
「タンゴにパステル調なんて考えられない。」
ということでもあると思います。
これまで自分たちの録音を聴いていると、
我々の音色から感じられるのは、「素朴さ」でした。
他の音楽ならまだしも、ピアソラの音楽では、
このままではならぬ! 素朴さ撤廃だ!
と思い続けるバイオリン弾きでありました。
もっと、ポルテーニョ(ブエノスアイレス)の音楽、
タンゴの響きが、強烈に香ってこなければ!
そういうわけで、練習の度に、
各自の楽器で、タンゴっぽさを表すには、何が必要か?を
問い続けました。
マエストロも、常々「自分の頭で考えて、考えて、考えること」と
おっしゃっていました。
たぶん、教わるものではなく、
自分で感じ取って、楽器に込める、ということなのではないかと。
バイオリンの場合は、
とにかく素早くて、アタックの強烈なボーイング、
そして、速くて深いビブラートのかけ方と、
随所に散りばめるテヌートの輝き、
このあたりに、技術的な解決を見出しました!
(どれ一つ、このようなことは、譜面に書かれていません!)
どれもこれも、イザ弾いてみても、
なかなか「らしく」聴こえてこない難しさがあります。
が、果敢に挑んでいくまでです。
何度か、録音を繰り返すうちに、恐らくは、1年前とは
雰囲気の違う音楽に転じてきたような「気配」を感じ始めました。
明らかに、ある楽器の変化は、別の楽器へも振動・共鳴し、
互いに影響し合ったことと思います!
そして、既に何度か聴きにいらしている方々にも、今回、
今までとの「違い」をはっきり感じていただきたくもありました。
その結果、皆さんのアンケートからは、
恐らく、これまでには無かったようなご感想が寄せられました!
「テンポの早い曲は疾走感や躍動感が凄くかっこよく心地よかった」
「泣いているようだったり、ポンポン弾いて楽しそうだったり、
重厚な感じやコケテッシュな感じに変わるので驚き」
「せつない感じがよく出てた」
「外は晴れていましたが、ここはどこか湿っぽく哀愁に満ちた
空間になっていました」
「改めてピアソラのレパートリーの広さに驚いた」
たった三つの楽器で、感情や情景やタンゴの魅力を
表現できたかと思うと、あるところまで、たどり着いたかのように感無量です。
もちろん、まだまだの部分はありますが、
意図したことが、表現できるようになりつつあることを実感でき、
私たちは、このライブに挑戦できて良かったと、
つくづく喜びを感じているのでした。
しかし、やはり、ライブでは「やり遂げられなかった」ことを
やり遂げるために、5月は、初の「スタジオ録音」に挑みます。
また、この経過も書いていきたいと思います。
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