2009年12月14日月曜日

変化

「ブエノスアイレスの春」を春に向けて(!)、
練習し始めています。

この曲は、私にとっては、初めて購入したピアソラの譜面、
でもあります。もう、10年ぐらい経ってしまったかな・・・。

このトリオ譜で、過去に何度か、メンバーを変えて、
合わせてみたことがあるのですが、とにかく難しくて、
お蔵入りされていたものです。

久々に取り出してみると、まだ訳もわからず四苦八苦していた時の
ボーイングの書き込みが残っています。

今見ると、これじゃピアソラじゃない!という目茶目茶ぶり。

今でも、弾きこなすのが難しいことに、変わりありません。

でも、「どう弾けば、ピアソラになる」のかは、
譜面を前にして、わかります。

これは、同じ譜面を目の前にして、タイムトンネルでも、
くぐりぬけてきたかのような気分ですね。

それだけ格闘してきたし、マエストロからの直伝もあるし、
弾き込みもしてきた、ということなのだと思います。

フィンガリングも、以前は、自分の技術で可能なようにしか
決められなかったのですが、今は、弾きたいように決められる!
と、弾きながら驚きました。

つまりは、ほんの数ヶ月前まで、初心者にありがちな(!)、
この音で必ず、第何ポジションに1で上がる、というような、
フレージングでいうと、つまらない弾き方しかできなかったのです。

というか、変だな?と思いつつも、それ以外に思いつかなかったのです。

が、今では、これは、2-2(指番号)で上がって、そのまま同じ弦で、
ファースト・ポジションに一気に下りてくる方が効果的、
とか思いつくし、それには練習が必要だけど、
あ!弾けそう!という感じには、弾けます。

これは体験してみて、不思議な現象です。

別に手取り足取り教わったわけでなく、
マエストロが目の前で色々に弾くのをちょっと拝見しただけなんです。

思いもしなかった衝撃のフィンガリング!
そんな凄いのは、出来ない!!!と思っていました。当時!

が、頭の中に、こう弾こう!と思い描いたのを実現すべく、
あれこれ試してみると、やはり、こうなる・・・ということなのですね。

でも、たぶん、いとも易々と弾いてしまえば(!)、
そんな悪戦苦闘があったのも、わからないことでしょう。
(というか、そんなもの見せるべきでアリマセン!)

でも、譜面には、それらのことまで書かれていませんから、
同じ譜面を見ても、誰もがそのように弾けるわけではないです。

実際、この譜面を手にした当初、弾き方が全然わからずにいましたので。

この1年は、ただの1年では無かったと思います。

バイオリン弾きとして、バイオリンを初めて手にして、
初めて先生に習った時の、あの人生を揺るがすような(!)
同じ衝撃が確かにありました。

大きな変化でした。・・・脱皮できたかな!(笑)

2009年12月9日水曜日

「ピアソラ自身を語る」を再読

以前にも、お知らせしたのですが、Twitterを始めまして、
バイオリン弾きは、kogumayaの名前で、ツイートしています。

まだ何だかわからないなりにも、毎日、自身の本職と、
ピアソラとをキーワードに発信していたところ、
なんと! ピアソラ研究の第一人者であられる斎藤充正さんが、
バイオリン弾きをフォローして下さいました。

この感動といったら、ありません。

以後、ピアソラについて語る時は、心して語らねば!
と気を引き締めた次第です。


さて、本当は、ライブ後でなく前に読むべきだったのですが、
時間も取れなくて、久々に、ピアソラ本の決定版とされる
「ピアソラ自身を語る」を何度目かで、再読しています。

読む度に、新鮮です。この本!

そして、やはり、私自身も、ピアソラの曲を弾けば弾くほど、
何かがわかってくるように思い、ピアソラ自身が発している言葉への
感受性というのも、変わってくるようです。

つまりは、同じ本を読んでいて、
いつも心に飛び込んでくる文章が違うのです。

特に、マエストロとお会いしてからは、また考えることが、
以前より単純なものでは、なくなってきています。

ピアソラに触れると、本当に複雑な気持ちに、向き合うことになりますよ!!


近々、ピアソラのスタジオ録音の傑作「ゼロ・アワー」が、
また発売されるそうですね。

このゼロ・アワーの観念が、今回また再読してみて、
急によくわかってきました。

完全に終わるところと、完全に始まるところ、
となぜ、言いたかったのか、ということが。


そして、最初のキンテートなしには、二期目のキンテートも
ありえなかった、という文章で、私もふと思いました。

今、Trioでは、譜面から作って、ピアソラの曲をそれこそ、
初めてゼロから弾いてみているわけなのです。

最初は、本当にへこたれる難しさに直面します。
こんなの弾けるのか!って。

これは、トリオのそれぞれが思っていると思いますが。

でも、この過程を共有している、このメンバーは、
本当に得難いものだ!と。このトリオなしに、以後もない!と。

後になれば、もしかして、もっと上手に弾けるかもしれないけれど、
上手くはなくても(!)、この最初の苦しみを味わいつつ、
この道を行こうか?どうするか?と弾いている時間は、
とても貴重なものと思われます。

ですので、恐らく、もう、6月のライブの時のようには、
誰も同じように弾けないし、もう既に(!)、
11月に終えたばかりのようにも、もう誰も弾けないんです。

私は、そうして変化していくTrioというのも、見ていただきたくて、
連続5回シリーズを訴えてみたわけです。

多分、もうすでに安定して弾けているプロの方たちには、
これこそが、敵わない魅力と思いますよ(笑)。

実際、友人のプロのピアニストさんにも、先日、聴きにいらっしゃって、
私は恐縮だったのですけど、そのことを指摘していただきました。

これほど、ピアソラを弾いて成長したとは、と。


でも、ライブの前夜、バイオリン弾きは、また懲りずに、
一緒に弾き始めて4年目になるピアノ弾きに確認をしました。

今回のライブに向けて、マエストロの弾き方を多用して、
採り入れてみてるんだけど、その違いに気付いたか?と。

すると、「あぁ~、わかんなかった~!」がピアノ弾きの答え。

期待はしてなかったけどね~(笑)。

まぁ、楽器が違うと、技術面とかわからないものとは思うけれど、
メンバーがわからないようじゃ、まだまだなのです。

ピアノ弾きの言葉は正しい!


そして、次の反省会のときにでも、皆に言おうと思いますが、
「ピアソラ自身を語る」は、奏者として、読んでおこうよ!と。

2009年12月8日火曜日

キチョ・ディアス

ピアソラがNo.1に挙げるコントラバス奏者です。

「たぶん彼はすべてのコントラバス奏者の父だ。
 まるで背中にキンテートをまるごと乗せた象のようだった。
 彼の演奏の滑らかさがいつも楽しみだった。」

(「ピアソラ自身を語る」より)

2009年12月4日金曜日

Vol.7を出来事で振り返る

今回は、初めて11曲ものプログラムに取り組み
(それでも、弾き終わるのは、あっと言う間ですが・・・)、
そのうち6曲は、新曲でしたから、それを乗り越えた
私たち奏者の感慨は、大変大きなものとなりました。

そして、何より、これほどの素晴らしい会場で、
皆さんの温かい雰囲気の中、演奏できたことは、
私たち三人にとって、生涯忘れえぬ演奏機会となりました。

手元には、リベルタンゴ以降の後半の録音しかないのですが、
何度か(!)聴いていくうちに、なかなかよく弾けてて、
終わった直後よりも、「やり遂げた」という喜びが増してきています。

(直後は、「しくじってしまった・・・」の悔いが8割占めてましたので・・)


まだまだ書き足りぬことがあり、今日もまた、違った面からお伝えします。


今回のお客さまのご来場者数は、これまでの倍となり、
本当に感謝申し上げます。

そして、都内ばかりでなく、関東近県、そして、何と三重県から
お越しの方もいらっしゃいました!

ピアソラばかり弾く、という異様にマニアックなトリオですが、
だからこそ、こうして、お好きな人を惹きつける要素を持っているのかな?
と少し自信が出てきました。

そのご期待に答えて(!)、これからも、安心して(笑)、
このマニア度を高めていく所存です。


今回感じたのは、「ブエノスアイレスの秋、冬」への人気です。

これは、もしかすると、日本人にとって、季節のテーマは、
初めての人にとっても、すっと馴染みやすいのかもしれません。

逆に、「フガータ」とか、「ミルトンの肖像」とか、「天使の復活」とか、
テーマも、一見して、なかなかわかりづらいし、
曲自体の風変わりさも相まって、とっつきにくいのかもしれません。

ですけど、これが、ピアソラにのめりこんでいくと、
この“とっつきにくさ”に、きっと、はまっていくんだと思います!


ですので、これからも、プログラムには、初めての方にも、
そして、とにかく大好きという方にも、楽しんでいただけるよう、
試行錯誤して、選曲していきたいと思っています。

また、今回は、ライブ後に、ライブ運営のお手伝いのお申し出を
次々とお受けしました。

本当に有難いことです。

たった二人で始めたことが、演奏会が終わる度に、
こちらの予想以上に、輪が広がってきて、本当に嬉しいです。

今回も、最終的には、こちらの予想を超えるお客さまの数となり、
少数精鋭の(!)お手伝いさんでありましたが、
何かと手間取ってしまいました。

私も気になってはいたのですが、何せ、出演当事者とあって、
演奏にも集中しなければなりませんし・・・ということがありました。

ですので、お手伝い下さる方がいらっしゃれば、
有難くお受けすることにし、より良い演奏会にしていきたいと思います。


そういうわけで、これからも、ピアソラ時間を
どうぞ、よろしくお願いします!

2009年12月3日木曜日

Kicho キチョ

さっそく、曲紹介をしようと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Yb2rlGxVrfY



とはいえ、はじめに持ってくるなんてどんな曲がいいか悩みまして…

リベルタンゴやアディオスノニーノなどの有名な曲にしようかとも思いましたが、それは軌道に乗ったころに書きたいなと思い…
とはいえ、初っぱななので思い入れのある曲…


ということで、自分(チェロ)のソロの曲を選びました。



・曲の背景
曲名「キチョ」とは、コントラバス奏者キチョ・ディアスのことです。
ピアソラともよく共演しており、ピアソラが「最高のベーシスト」と評したほどです。

コントラバスが主役になる曲は3曲あり、
Kicho(キチョ)
Contrabajissimo(コントラバヒシモ)
Contrabajeando(コントラバヘアンド)

その中でもキチョは現代のコントラバス奏者の間では割とレパートリーになっているようです。

ピアソラ的にはZero hourにも収録されたコントラバヒシモが有名ですかね。スアレス・パスにも勧められましたね。



ピアソラ本人の音源はさほど残っておらず、CDではブエノスアイレスの四季で有名な「レジーナ劇場のアストル・ピアソラ」に収録されてます。




・曲の構成
その名の通り、コントラバスが主役となっている曲です。


構成は(Cb=コントラバス、Vn=バイオリン)
Cbソロ①-Cbソロ②-tutti-Vnソロ-Cb,Vnデュオ-tutti-Cbソロ③-tutti

何といっても冒頭のソロです。
バンド全体による長い尾を引くような和音の後に、(演奏にもよりますが)2分近くにわたるソロ①があります。

このソロはアドリブも多くカデンツァ的なのですが、この長いソロの後に8小節さらにソロ②があり、そのあとバンド全体が入ってきます。
ここのtuttiによるメロディはのちにも繰り返されますが、アップテンポで速く、しかもどんどん速くなるような勢いがあります。

そのあとCbのソロが一瞬入るのですがこれが超絶技巧。速いし、臨時記号も多い…
Cbで弾いているのかと耳を疑いたくなるほどうまいですね。
チェロで弾くのも必死です。

その勢いのまま音系は下降して、低音で落ち着いたかと思いきや、バイオリンソロにつながります。


そのあと、Cbのメロディになり、そこにVnが入り掛け合いになります。
ここのメロディが非常に美しい。一番の聴きどころですね。
上の動画ですと3:12あたりからです。


うちのバイオリニストによるとキチョの奥さんが出てくるとか…
まぁ解釈はいろいろありますが、どこか切なく、それでいて決して悲しみに溢れるようなメロディではありません。
どこか上を向いているような感じですね。
CbとVnが励ましあうような…

掛け合いの後、Cbのきっかけで再びtuttiに戻ります。
前回のメロディとほぼ同じですが、今度はその勢いのままCbソロに突き進みます。

奏者にもよりますがこのソロ③はピッチカートによることが多く、どこかジャズ風なノリで進んでいきます。

ソロが最低音に行きつくとバンド全体が入ってきて、勢いのまま最後に向かいます。

最後は重くなって下降音系に行きつき、最終音と思いきや解決せず、一旦音を切って最終音で解決に至ります。
終わり方も特徴的ですね。




・編曲
さてこの曲をピアノトリオに編曲するわけですが、もっとも頭を悩ませたのはチェロの音域です。
曲の構成自体は割と難しくないので、コントラバスの代わりにチェロを中心に据えて、バンドネオンはバイオリンに割り振り、ギターをピアノに割り振る程度ですね。


コントラバスはそもそも譜面が1オクターブ上で書かれており、譜面まま演奏するとチェロだと高く聞こえてしまします。

ですので、可能な限り1オクターブ下で弾いております。
とくに一番の聴きどころ、バイオリンとの掛け合いの部分はずっと1オクターブ下げて弾いているわけですが、最後の最後でオクターブ戻らなければならず、すこーし歯がゆいですね。

しかし、1オクターブ下げて、しかもチェロで弾いても難しいのに、良くコントラバス奏者は弾きますなぁ…
普段目立たない、Kichoという人のすごさに尊敬の念を抱きながら弾かなければならない曲ですね。


冒頭のソロは手に入れた譜面と音源とでだいぶ違ったので、レジーナ劇場やチェロによるKichoの音源CDを参考にしながら、弾きたいように編曲しました。
こういったソロはインストゥルメンタル的と言いますか、音だけを聞かせるといいますか、そういった編曲になりがちなので、ストーリーがあり感情がこもるようなソロを目指して弾いているつもりです。



個人的には冒頭のソロ、途中の超絶技巧、後半のピッチカート…

曲全体も有機的に雰囲気が変化したり、一方でコントラバスがきっかけでガラっと変わったり…

それぞれ良さがあり、盛りだくさんの1曲ですね。


しょっぱなから長くなりましたねー

Vol.7を曲目で振り返る by Vn

人の記憶は、強烈なようでいて、
後で都合よく(?!)忘れてしまうものです。

そういうわけで、忘れないうちに、というより、
安心して忘れて(!)次に進むために、曲目を振り返っておきます。

ピアソラを弾くのが、なぜ難しいかというと、
独特の音楽形体もさることながら、
これほど奏者の技量、基礎力が問われる音楽はありません。

今回は、公使公邸で、ご夫妻に大感激の演奏が目標でしたので、
特に、バイオリン弾きは、基礎練習を徹底的にしました。(アレでも!)

お恥ずかしいのですけど、♭系のスケールは苦手でしたし、
ポジション移動も、上から降りてくるのが、エライ苦手でした。

ソロでピアソラを弾くとなると、そういうのが全て剥き出し、
ちょっとの狂いが、大きな狂いとして聞こえてしまうのです。

もし、ピアソラを弾かないのであれば、こんなに緻密な練習は、
疲れた仕事帰りの後にやることはないでしょうね~。

ピアソラの音楽に係わることで、こうして、あらゆる面で、
成長が問われるように思います。


さて、1曲目は、オブリビオン。

これは、ピアソラのメロディの美しさを代表するものでもあり、
シンプルなので、だからこそ、表現に苦しみ、
結局、本番でも、バランス的に「未完成」で臨んでしまった感があります。

もう少し、弾き込みが必要でしたね。課題にします。

ホセ・ブラガートの編曲でした。


2曲目は、フガータ。

アマチュア奏者の常で、プログラムの最初の方は、
まだ全然乗り切れていないのに、この難曲。

不思議さいっぱいを醸し出して、あっと言う間に終わってしまいました。
もう少し、楽しさを滲み込ませたかったです。

ピアソラのフーガ式タンゴは、やはり極めたいことの1つ。

前回は見送って、今回トリオでは初めて、フーガ式に取り組みました。
まだまだ修行が必要ですね・・・。


3曲目、ブエノスアイレスの秋。

これは、トリオにとっての新曲で、少々長めの風変わりなソロもあるし、
何せ難しかったので、最後まで心配でした。

が、リハでは、この曲だけ2回練習しておいた成果なのか、
やはり、ピアソラ作曲、ブラガート編曲の成せるマジックなのか、
アンケートでは、この曲を上位に挙げて下さった方が多くて、
とても勇気づけられました。

いずれにしても、挑戦してみて、良かったです。
秋の季節に「秋」を弾ける最後の機会でしたので。


4曲目、ブエノスアイレスの冬。

この曲は、Duoから通算して、ライブで弾く回数が最多です。

それほど、我らの中で気に入っていますし、弾き甲斐もあります。
アンサンブルとしても、まとまりが出来つつあるようです。

が、まだまだ「完成」には、遠い道のりを感じてもいます。

特に、バイオリン弾きは、3ページの譜面のうち、最後の3ページ目が、
ずっとバイオリンの動きが肝になるのに、音程とりづらくて冷や汗ものです。

毎回、今度こそ!と思って取り組み、今回は、ムリヤリだったフィンガリングを
変えてみたので、ようやく、すんなり弾けるようになりました。

そして、この曲は、最後に向かって「春を迎える」という展開に
Trioとして落ち着きましたので、これまでの「冬」モードの弾き方を
何とか切り替えて弾いてみました。

おかげさまで、この曲も、アンケートで上位に挙げていただきました。

でも、まだまだ成長の余地を残しています。


5曲目、ミルトンの肖像。

これも新曲。そして、この曲は、Donさんからのリクエストにより、
録画撮りも行ったのですが、乗り切れなかったかな・・・という感じですね。

やはり、新曲は、本番でどんなことになるのか、ちょっと未知数ですね。

また出直して、弾いてみたいです。


6曲目、エスクアロ。

ここから後半です。ようやく、この舞台に適応しつつあります。

が、私自身、この曲、前回の大塚の時の方が、
ノリ良く弾け、会場のノリも抜群だったように思います。

休憩後最初の曲、という曲順も一因でしょうか?!


7曲目、リベルタンゴ。

録音で聴いてみると、練習では決して再現できそうにもない、
ハイ・スピードで突っ走っています!

最も弾き込んでいる曲でもあり、スピードについていってはいますが、
ピアノ、刻み、メロディが、ピタリはまっていませんね。

それは、弾きながらも感じていたのですが・・・。

それでも、曲の迫力と、知名度と、ノリの良さとで、
皆さんからの投票では、No.1をいただきました。有難いことです!

改めて、アルゼンチン団子さんの編曲に感謝です。

もっと、この曲も進化させたいと思います。


8曲目、キチョ。

この曲は、意外にも、今回のプログラムの中で「最長」の曲です。

冒頭の長いチェロ・ソロは、病み上がりのチェロ弾きには、
多少堪えたようでしたが、本人は満足の出来だったようです。

それならば、我らに何も言うことはありませんね。

中間部のバイオリンとチェロのやりとりの部分は、私も大好きな箇所です。

また、Trioとしてのノリも、前回以上に出てきています。


9曲目、アディオス・ノニーノ。

この曲は、なぜか、練習の時、時間が足りなくて弾けなくなることが
多いので、いつか、これを極める演奏会を作りたいなと思っています。

が、今回、これまたバイオリンのハイ・スピードな出だしに乗って、
そして、あの美しいメロディも、良き音響空間とあいまって、
録音を聴いてみますと、意外に良かったので、安心しました。


10曲目、悪魔のロマンス。

この折角の名曲。冒頭から、事もあろうに(!)
バイオリン弾きが入り損ねて、「いまいちゾーン」に入り込み、
抜け出せないまま終わってしまった感じです。

それでも、この曲の名曲ぶりに助けられたとは思いますが、
それにしても、地味に終わりすぎてしまったので、
次回に、万事を尽くして弾きたい曲の1つです。


11曲目、天使の復活。

最後の曲になって、ようやくエンジンかかってくるのは、
もう毎度のことですね。

録音で聴いてみても、この曲が、最も安心して(!)聴けました。

正確に言えば、崩れそうになるポイントがいくつかあるのは
否めませんが、それ以上に全体の曲の雰囲気が、良くまとまっていました。

弾いてても、ようやく楽しめてきたところです。

ちょっと今回は、前回の1回目のときと違った変な緊張感に
囚われていましたので・・・。

ライブを締め括る曲として、この曲を弾き、
もしかして、私たちの得意曲になりうるのではないか!
と思えた演奏になりました。


そして、鳴り止まない拍手(!)にお応えして弾いた曲が、
「アベマリア」、そして、再度の「リベルタンゴ」でした。


今回は、各自練習を重ねて、前回以上の演奏になったと思います。

けれど、どこか消化不良を感じているのは、
前回は、計画通りに練習をこなせて、本番に勢いに乗って臨めたのですが、
今回は、何度か、メンバーの体調不良により、トリオとしての練習が、
頓挫してしまったことにあると思います。

アンサンブルのバランスをもっと詰めておきたかったな・・・と。

まぁ、寒くなる季節柄、体調が崩れやすい時期とは思うのですが、
バイオリン弾きの本業は、ヘルスケアが専門でもあり、
ちょっとマズイな・・・と思った次第です。


ピアソラの偉業は、作曲であるとともに、
活躍するフィールドを世界に広げて、自ら自演することでもありました。

つまりは、ピアソラの身体的・精神的タフさが、成し遂げたものと思います。

私たちも、“そこまで”追求したいものです。

というわけで、メンバー自身のメンテナンスを
月々義務付けることを思い立った次第です。

次回では、見事、そのタフさが備わった演奏をご期待ください!

2009年12月1日火曜日

アルゼンチン団子さん

今回(Vol.7)、皆さんからの投票でNo.1に選ばれたのは、
「リベルタンゴ」でしたが、この曲が弾けるのも、
アルゼンチン団子さんの編曲のおかげなのです。

というのも、ちょうど良い譜面が市販されていませんので。

今日は、関西の熱い“提携”バンド、
アルゼンチン団子さんをご紹介いたします。

アルゼンチン団子さんのサイトは、
こちら → http://ameblo.jp/a-dango/


「大学時代のクラブ活動を通じて1998年に結成し、現役部員も
 巻き込みながら11年間活動したアマチュアタンゴバンド」

であり、いつもお世話になっているのが、
リーダーのニセ部長さん(ビオリニスタ)。

バンド名といい、この呼び名といい、
関西独特なノリ(?)が漂っているようです。

ニセ部長さんとは、今年、東京でお会いすることができました
(バイオリン弾きのみ)。

ピアノ弾きの故郷が、ニセ部長さんたちの本拠地であるのは、
とても奇遇でした!

今年の夏に、ピアノ弾きは、何と、アルゼンチン団子さんの
生ライブを堪能することができました!

ピアソラを弾き続けて10年以上の歴史に、
私たちは、ひたすら敬意を抱くのです。

いつか、トリオ版「リベルタンゴ」を録音して、
お礼に贈呈しようと常に思っているのですが、
問題は、私たちの演奏が、いつ、そのレベルに達成するでしょうか???

今後とも、よろしくお願いします!