2009年3月27日金曜日

マエストロとの対話

昨日の記事で、今月は4つになってしまったので、
「毎月の記事数は奇数」の独自ルールを守るべく、
今日も書きます!

今頃気付きましたが、このブログも、昨年の今頃始めて、
ちょうど一周年ですね!

単に好きだから、とピアソラの曲を合わせ続けていたのですが、
これだけ、一生懸命に練習して、お互いの予定を合わせて、
合わせもしてきたのに、どこかに記してでもおかなければ、
自分達の移ろいやすい(!)記憶の中でしか、残らない。
(もしかしたら、記憶にも残らない可能性もある!)

ということで、「形」を残すべく、始めたのです。

10日に1度ぐらいの割合で、月に3度、
もう少し書けたら、縁起の良いと言われる(!)奇数個で、
記事を書こう!と、それだけのルールを決めました。

この単純なルールは、意外と掻き立てられるようで、
ブログ・アーカイブを見ていただければ、
月々、3か5の記事数がずらり並んでいるのが、一目瞭然です!

いつの間にか、50もの記事数になっていました!

この1年、書いてて良いことは、ありました。

これを読んでくれて、ライブを聴きに来て下さった方々、
今のTrioとなったチェロ弾き君とも出会えました。

また、1年前には、思いもしませんでしたが、
マエストロ、フェルナンド・スアレス・パスに、
出会えるきっかけにもなったと思います。

先日も、来日中、最後の東京ご滞在中に、
我ら三人で、お会いしてくることができました。

英語は話さない、とおっしゃってましたが、
この日は、白々しくも(!)、
「エクスキューズ・ミー、アー・ユー・ミス・ユウコ?」
と、まるで「今日初めて会ったかのような」茶目っ気ぶりで、
近寄って来られました。

三重奏の練習後だったので、譜面をどっさり持参していると、
マエストロが、その場で、ほぼ全ての(!)譜面に目を通してくれ、
ボーイング(弓使い)や、弾き方、コツを語ってくれました。

実は、これこそが、奏者として、一番有難いことです!!

私が事前に、知りたいな・・・と思っていたことは、
全て、解決しました。

おっしゃった、たったの一言で、今までどうにもならず、
悩ましかった弾き方が、後で試してみると、
楽で、しかも効果的な弾き方に一変しました!

この驚きといったら!!!

さすがは、世界一のマエストロです。

それにしても、マエストロは弾いている時だけでなく、
弾いていない時こそ、凄いお人でした。

誰よりも、感謝の言葉を忘れない方です!

今回、私のぶっつけ本番的な、スペイン語学習が間に合わず、
ひどい片言で、さぞかし失礼で、しかも通常の何倍も、
コミュニケーションに時間がかかってしまい、
いつも申し訳なく思っていました。

それでも、お会いする度に、喜びを爆発させたかのように接して下さり、
「また会いに来なさい」とおっしゃって下さるのでした。

常に「勉強、勉強、勉強ですよ!」という厳しさもありましたけれど!

この感動は、ピアソラの譜面を目の前にする度に思い出され、
しっかり弾こう!と思えてきます。

最後のお別れの言葉は、「じゃあね、子どもたち!」。

最初は、セニョーラと呼んでいただけたのに~!とは
思いましたが、これもまた、嬉しいものです。

2009年3月26日木曜日

久々にスタジオ練習(2009年3月)

3月の記事が、「聴く」話ばかりになってしまったので、
一応、練習している(!)ことも記します。

今回は、久々に、今まで使っていたスタジオでの合わせ。

一度でも、広々空間での練習に慣れてしまうと、
この狭さと、音のこもり感には違和感を感じてしまいますね。

近くにいながら、何だか、お互いの音が聞こえづらい!


さて、いよいよ、ライブをしよう!ということに決め、
そこで弾く8曲をざっと決めて、通してみました。

Tangataは、大曲かつ難曲ですが、決まり!

今、わたしの中で熱い(!)Inviernoも、推したいです。

あとは、Kichoも、チェロ弾き君が、やる!というので、
ソロ頑張ってもらいましょう。

もちろん、Libertangoも、やりますよ!!

どうやら(?)得意曲のMilonga del Angelも、必須でしょう。

残りの選曲は、お楽しみ、ということで!


名曲ばかりを弾くこの時間、何て贅沢!と思いました。

まぁ、全然練習してない曲は、弾けてませんが~!

それでも、ピアソラの譜面をなぞっていくだけで、
流れゆく時間が、何やら違います。

これから、この決めた曲に絞って、弾き込み開始です。

残念ながら、惜しくも(!)漏れてしまった曲たちへの
未練もたっぷりありますが、また次の機会に、必ず会おう!

2009年3月17日火曜日

スアレス・パスを聴きに行く~その5

もう一日、仕事も休日で、さほど遠くない公演地を
探したところ、名古屋公演がちょうどよかったのですが、
何と、チケットは既に売り切れ!

断念しがたく、民音さんに問い合わせてみたら、
A席を追加販売していただくことになり、入手できました。

が、何と、4階席!!

行ってみて座ってみると、4階席の最前列は、
手すりのすぐそばが崖っぷち!という、
高所恐怖症の人には向かないかもしれないスゴイ席でした~。

イスに深く座ったままの目線では、ステージは見えず、
手すりを持ちつつも、何度も身を乗り出しては、
係りの方に、「危ないですよ!」と注意されてしまうこと度々、
という、そんなスリル溢れる席での2時間は、まさにスリリングでした。

前半から、その熱演は、凄まじかったです。

とにかく、ある方のソロの身体を張った熱演が、
次の方のソロの熱演へとつながり、これって何だろう、何だろう!
と感動し、前半から、目頭が熱くなるのでした。

今日は、音響のせいなのか、4階席のせいなのか(!)、
いつもはよく聞こえてこないチェロの音が聞こえて、
全体として、とても締まって聞こえました。

いつも思うのですが、マエストロのバイオリンと
ユニゾンを弾けて羨ましいポジションです!!

前半の「チケ」と、後半は、やはり、「ロス・マレアードス」、
もちろん、マエストロDuoが、特筆ものでした。

そして、いつもテンポの違う「リベルタンゴ」は、
出だしのレケーナ氏のピアノの迫力が凄くて、
自然と迫力ある流れが出てきました。

この日の「リベルタンゴ」は忘れられないだろうと思います。

やはり、コントラバホは凄い!
迫力重低音にして、俊敏なテンポ感!

実は、開場前にロビーで待っていると、私服姿でホール入口付近に、
コントラバヒスタのアコスタさんが現れたのを見逃さなかったのですが、
声をかけたくても、なぜか、パッとスペイン語が出ないもので、
そうこうしているうちに、去られてしまいました。


さて、実は、この日の熱演の理由が後になってわかったのですが、
これが、音楽家としてのプロ魂というものなのですね。

わたしは、ドクターとして、先日の岡崎公演の際に、ムリヤリにでも、
診て差し上げるべきだったのを後悔してならないのですが、
皆さまのご健康をお祈りするばかりです。

2009年3月6日金曜日

スアレス・パスを聴きに行く~その4

我が旧友の住む町、岡崎での公演を
音楽好きな友人夫妻とともに、聴きに行ってきました。

見知らぬ初めての町だったけれど、
友人の的確ナビのおかげで、迷うことなく、
ホールまでたどり着くことができ、感謝!

今回は初めて、1階席を取ることができて、
ステージとのつながり感が良かったです。

やはり、ライブなので、4度目(!)と言えども、
同じ曲が、ちょっとずつ違う演奏で、毎回新鮮です。
これもまた奏者として、勉強になります。

会場の雰囲気とか、音響も違いますしね!

岡崎では、客席が、今までにないような、
ザワザワ感とか、ノリの良さがあって、面白かったです。

建物も歴史的(?)で、「パーラー五万石」とかって、
書かれてましたし!


4回目にして、ようやくマエストロ以外にも、
視線が行くようになりました。

今さら言うのも…ですが、
やはり、レケーナ氏のピアノには凄味があります!
ソロの時の、聴き手をぐっと引き込む名演! 本当に素晴らしかったです。

マエストロの演奏も、「ここぞ」というところで、
必ず、前面に押し出されるパワフル、かつ、
心揺さぶられるメロディは、鳥肌ものです。

もちろん、ささやくような場面も、それはそれは素敵です!

後ほど、ご挨拶に伺いましたが、
マエストロとの対話は、いつでも衝撃的ですね。

「もっと上手く弾けたら良かった!」
とおっしゃいました。

あれだけ聴衆を魅了する世界一の奏者が!
と、わたしは、ひっくり返りそうでした。
この恐るべき向上心は、見習わねばなりません!!!

そして、「練習してますね!」とバイオリン奏者の印(!)、
左首すじのバイオリン跡をしっかりと確認されるのでした。

今回も、圧巻は、「Los Mareados」。
「想いの届く日」と「40年代のミロンガ」も、熱演でした!

2009年3月2日月曜日

スアレス・パスを聴きに行く~その3

民音タンゴ・シリーズの合間に、
マエストロの楽団の演奏による「グランミロンガ」が、
東京で開かれると、ラティーナさんに教えていただき、
聴きに(!)行ってきました。

本当は、全部聴きたかったのですが、
前々からの用事があり、最後の1時間半に、何とか間に合いました。

タンゴ公演の際には、なかなか近い席が取れず、
遠目にしか演奏姿を拝見できなかったのですが、
今回は、ほんの数メートルの近さで(!)、
聴くことが出来ました。

マエストロの奏法は、動きに実に無駄がなく、
かつ、音色は濃密です。

そのセクレート(秘訣)は、教えていただいたものの、
言葉でなく(!)、己に焼き付ける必要があります。

あとは、楽団の皆さんの基盤となるタンゴのリズム!

思わず、コントラバホには近寄って、
間近で聴いてきましたが、この迫力ある奏法といったらありません!

近くでよく見ると、先日アルゼンチン団子さんが教えてくれたように、
弓も違うんですね!

あとは、やっぱり、あのモコモコと動くバンドネオンは、
楽しくて、見ていて飽きませんね~。


楽しみにしていたマエストロのDuoは、
やはり、2曲、3曲と続いてくると、もう涙無しには、
聴けなくなるのでした。この日本で、こうして目の前で
演奏されていることが、この上なく幸せで!

やっぱり、最後に弾かれた「Los Mareados」は、
名演ですね。

こうして、何度か足を運んで、聴き込んでいるうちに、
譜面の音楽を弾く時に、譜面には書かれていないけれど、
「こう弾くのだろう」という何かが、
少しは、わかってきたように思います。

あとは、弾いてみて、聴いた方にその違いが
わかるような弾き方になっているかどうか、ですね。

言えることは、ひたすら弾き込むしかない、ということ!

今回は、皆さんが踊ってらっしゃる場で、
楽団が弾いているのを見ることができて、
また一味違いました。

そして、一段とモチベーションが刺激された日になりました。