2009年12月9日水曜日

「ピアソラ自身を語る」を再読

以前にも、お知らせしたのですが、Twitterを始めまして、
バイオリン弾きは、kogumayaの名前で、ツイートしています。

まだ何だかわからないなりにも、毎日、自身の本職と、
ピアソラとをキーワードに発信していたところ、
なんと! ピアソラ研究の第一人者であられる斎藤充正さんが、
バイオリン弾きをフォローして下さいました。

この感動といったら、ありません。

以後、ピアソラについて語る時は、心して語らねば!
と気を引き締めた次第です。


さて、本当は、ライブ後でなく前に読むべきだったのですが、
時間も取れなくて、久々に、ピアソラ本の決定版とされる
「ピアソラ自身を語る」を何度目かで、再読しています。

読む度に、新鮮です。この本!

そして、やはり、私自身も、ピアソラの曲を弾けば弾くほど、
何かがわかってくるように思い、ピアソラ自身が発している言葉への
感受性というのも、変わってくるようです。

つまりは、同じ本を読んでいて、
いつも心に飛び込んでくる文章が違うのです。

特に、マエストロとお会いしてからは、また考えることが、
以前より単純なものでは、なくなってきています。

ピアソラに触れると、本当に複雑な気持ちに、向き合うことになりますよ!!


近々、ピアソラのスタジオ録音の傑作「ゼロ・アワー」が、
また発売されるそうですね。

このゼロ・アワーの観念が、今回また再読してみて、
急によくわかってきました。

完全に終わるところと、完全に始まるところ、
となぜ、言いたかったのか、ということが。


そして、最初のキンテートなしには、二期目のキンテートも
ありえなかった、という文章で、私もふと思いました。

今、Trioでは、譜面から作って、ピアソラの曲をそれこそ、
初めてゼロから弾いてみているわけなのです。

最初は、本当にへこたれる難しさに直面します。
こんなの弾けるのか!って。

これは、トリオのそれぞれが思っていると思いますが。

でも、この過程を共有している、このメンバーは、
本当に得難いものだ!と。このトリオなしに、以後もない!と。

後になれば、もしかして、もっと上手に弾けるかもしれないけれど、
上手くはなくても(!)、この最初の苦しみを味わいつつ、
この道を行こうか?どうするか?と弾いている時間は、
とても貴重なものと思われます。

ですので、恐らく、もう、6月のライブの時のようには、
誰も同じように弾けないし、もう既に(!)、
11月に終えたばかりのようにも、もう誰も弾けないんです。

私は、そうして変化していくTrioというのも、見ていただきたくて、
連続5回シリーズを訴えてみたわけです。

多分、もうすでに安定して弾けているプロの方たちには、
これこそが、敵わない魅力と思いますよ(笑)。

実際、友人のプロのピアニストさんにも、先日、聴きにいらっしゃって、
私は恐縮だったのですけど、そのことを指摘していただきました。

これほど、ピアソラを弾いて成長したとは、と。


でも、ライブの前夜、バイオリン弾きは、また懲りずに、
一緒に弾き始めて4年目になるピアノ弾きに確認をしました。

今回のライブに向けて、マエストロの弾き方を多用して、
採り入れてみてるんだけど、その違いに気付いたか?と。

すると、「あぁ~、わかんなかった~!」がピアノ弾きの答え。

期待はしてなかったけどね~(笑)。

まぁ、楽器が違うと、技術面とかわからないものとは思うけれど、
メンバーがわからないようじゃ、まだまだなのです。

ピアノ弾きの言葉は正しい!


そして、次の反省会のときにでも、皆に言おうと思いますが、
「ピアソラ自身を語る」は、奏者として、読んでおこうよ!と。

2 件のコメント:

El Bohemio さんのコメント...

小熊さん、小生はブエノスの′74年の秋にコリセオ劇場の演奏日の前の日に彼が練習演奏の現場に入り込み感動しました。翌日の演奏後に彼と覚束無い西語で話したところ、彼曰く“俺は日本に行くぞ”と周りの人々を煙に巻いていました。彼の強烈な意思を目の辺りにし、後に彼の伝記を読んで、今更に記憶をよみがえってきます。彼は偉大な演奏家、作曲家であり自己の信念を曲げなかつた強烈な性格の人物ですね。

koguma さんのコメント...

El Bohemioさん、ピアソラと会話を交わしたことがあるのですね!
貴重なお話をありがとうございました。

私たちは、マエストロ・スアレス・パスと来日中にお話をすることができ、ピアソラの音楽を弾く際のセクレートを知り、感動のひと時でした。