2008年4月29日火曜日

ピアソラ・ライブVol.1(2008.3.30)後記-Vn弾き

オープンな会場の雑踏感、
始まる前のチューニング、
皆さんがタイミングよく贈ってくれた拍手・・・。

録音を聴き返してみると、ライブの臨場感に、高揚感が蘇る!

冷静に聴けば聴くほど、第一回目ということもあり、
反省点だらけの弾きっぷり。

しかし、それを差し引いても、
なかなかに演奏として、盛り上ったのではないかと!


以下、曲を追って。

0 「ブエノスアイレス午前零時」
“始まりの鐘”代わりに、1分程度の縮小版で。
「ピアソラ時間」へ引き込む、良き導入になったか?!


1 「フーガとミステリオ」
この曲が、最も練習時間が短くて、仕上がりが心配だったけれど、
何とか間に合った?という感じ。

「フーガ」は、弾くにつれ、よく響く会場が、まるで「大聖堂の中」で
あるかのような、ピアソラの狙った音の重なり感を感じた。


2 「オブリビオン」
オーボエ用アレンジをそのまま弾く。「遠くで鳴っている感じ」がテーマ。

会場が、よく響いてくれて、大変気持ちよく弾けた!
今回のプログラムでは、ピアソラの中でも、最も知られた曲でもあり、
好評だったので、以後、定番曲となるだろう!


3 「鮫」
前日のリハよりも速いテンポになり、最後まで乗り切れなかった・・・。

スアレス・パスが弾くよな、速い中にも、色気(!)ある
音色を追求したいもの。


4 「レのミロンガ」
「鮫」の短距離走後のような息切れを静めるための曲として!

私にとっての「トリプル・アクセル」にあたる19連音符は、
何とか着地成功、といったところか?!

この曲には、単調ながらも、要所要所に、
クセになりそうな名曲感が散りばめられている!


5 「ブエノスアイレスの冬」
テンポの切り替えの難しい曲。

難しいとされる疾風感あふれるピアノ・ソロも、見事決まった!

春夏秋冬の中では、いちばん「冬」が好きなので、真っ先に選曲した。
あのテーマは、何度弾いても美しく、飽きない!


6 「ル・グラン・タンゴ」
これを弾きたいがためのライブだった!

チェロ譜をバイオリン譜に書き換えることから始まり、
良きピアニストと出会えたからこそ実現したもの。

他の曲に比べて、弾き込んだ時間も最も長く、
割りに安定して弾けてたのでは??

しかし、これも、テンポが一貫して速くなった!

もう少しゆったりめでも良いかもしれないが、
この“速い”グランタンゴも乙な気がする。


この出入り自由なオープン・スペースの会場で弾くのは、
私自身、今回で6度目だったけれど、
Allピアソラという、一般の方には聴き慣れない選曲のせいか、
過去のライブと比して、曲の途中で席を立つ人が最も多かったように思う。

一方、直前にお知らせしたおかげで、
ピアソラ好きの方々にお集まりいただき、
終始一貫して、熱心に聴き入って下さった!
この出会いと感激を忘れられない!

こうして、ピアソラの曲を弾くことで、
そんな二つの反応を得ることができたのは、
まさに、「ピアソラ」ならではで無かったか。

私は、この記念すべき初ライブで、
長い滑走路から“離陸した”ような達成感を感じている。

次回は、場所を改め、新曲も追加して、より、ピアソラ感をアップさせたい!
(近々、お知らせします!)

2008年4月4日金曜日

「フーガとミステリオ」 Fuga Y Mysterio

タイトルは、「フーガと神秘」とも訳されている。

1968年作曲「ブエノスアイレスのマリア」(オペリータ)の中の1曲。
詩人オラシオ・フェレールとの共作。
同年、ブエノスアイレスのプラネタ劇場で初演。

前半のフーガによる部分と、後半のゆったりとした曲調の
ミステリオの2部構成。

このフーガ部分は、音が重なるにつれ、奏者として、
弾いててゾクッとしてくるピアソラらしい曲です。(K)

オケ版の動画を発見!
奏者たちが次第にノってくるのが良くわかります!
http://www.youtube.com/watch?v=Ykq3yUCuM1M

こちらの記事は、「ブエノスアイレスのマリア」の中の曲を
歌われたソプラノ歌手さんの解説です。
http://www6.ocn.ne.jp/~colosop/music-Piazzolla-1-3b.html

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ライブPiazzolla Time Vol.1プログラム・ノートより
バロック時代に多く用いられたフーガ(同じメロディが複数の声部に
順次に現れるのが特徴)様式で作曲されたタンゴ。
ピアソラの奇才が発揮されている。(N)

2008年4月3日木曜日

ピアソラの得意料理

「ピアソラ自身を語る」の初めの方の章に、
ピアソラが初めて受けた音楽のレッスンのことが
書かれています。

なかなか興味津々ですが、何と、
そこで一生役立つことを学んだのは、
「トマトソースの作り方」とありました!

少年期にニューヨークに住んでいた頃、
近くのイタリア人教師から、 ソルフェージュなどを
習っていたピアソラ。

レッスンは、先生がトマトソースを作りながら
になるのだそうで、それは、音楽も忘れてしまう程の
良い匂いが漂ってきたそうです。

先生に教えてもらったレシピで、ピアソラ自身も、
作るようになり、その腕前には自信を持っていたよう!


これで思い出したのは、私自身も、似たようなことに
遭遇していること。私の時は、マーマレードでしたが!

ある時、レッスンで先生のお宅に伺うと、甘い香りが漂い、
先生は、 マーマレードを作るために、夏みかんの皮を
煮詰めている 真っ最中でした。

レッスン中も、生徒をみるのと同じぐらいの熱心さで(!)、
先生は、お鍋の中のマーマレードを気にされるのでした。

音楽家たる者、食に対しても、一生懸命になるようです(笑)。

2008年4月2日水曜日

ピアソラを知る本

実は、つい先日まで、ピアソラのことは、
何も知らず(!)、曲だけをひたすら聴いていました。

が、本人による唯一の回顧録であるとされる
「ピアソラ自身を語る」(ナタリオ・ゴリン著、齋藤充正訳)を
ようやく手にして、読んでみたら、また急に、
ピアソラの音楽が好きになりましたね!

ぜひ、この本は、読んでみて下さい!

このサイトでも、極めて断片的になりますが、
ピアソラが、どんな人だったかを
恐らくは、この著書からの引用が多いと思いますが、
ご紹介していきたいと思っています。

2008年4月1日火曜日

ピアソラ時間の3つの夢

その1 ~初めての方のために~

かつて、初めて聴いたピアソラの曲が、
ずっと心に残っていた、という体験をしています。

その時、ピアソラのことは何も知らず、
耳に入ってきた曲のインパクトが、 ただただ印象的だったのですが、
ピアソラ恐るべし、を物語る体験の一つです。

そんな体験が、またどこかで再現されたら!と思うのです。

ピアソラを聴くのが初めての方にも、
また聴きたい!と思っていただけるような
演奏をしてみたいです。

それは、ただ単に譜面に忠実に弾くだけでは
つかめない何か(ピアソラ因子?)があるように思います。

ピアソラからの“挑戦”にも思えますが、し甲斐があります!

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その2 ~親愛なるピアソラ好きの方のために~

私の周囲で、ピアソラが好き、という人に
なかなか出会えませんでしたが、
mixiの「ピアソラ」コミュニティでは、
こんなにも多くのピアソラ・ファンがいたのか!
と驚くと同時に、喜んでいます。

ピアソラが大好きと語る人たちの前で、
熱狂的な(!)ライブをしてみたい!
という欲求にひどくかられています。

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その3 ~「ピアソラ・フェス」開催~

このような音楽フェスティバルが存在するのか
どうかも、まだ知らないのですが、年に1度、
全国のピアソラ弾きたちが集まって、
ピアソラ漬けのお祭りがあったら!と思うのです。

「ル・グラン・タンゴ」も、ピアノ2台で弾いたり、
チェロはもちろん、ビオラでも、バイオリンでも!

世界には既にあるのか、それとも世界初なのか??
(ご存知の方がいらっしゃったら、教えて下さい!)

皆さんの力が合わされば、
決して実現不可能なことではないように思えます。

どうでしょう??
まずは、小さなものから、やってみる???

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と、「夢の表明」をしてみました。
まずは、その1から、一歩一歩ですね。

※ 4月1日の記事となりましたが、
エイプリル・フールではありません!(笑)