2010年8月27日金曜日

バンドネオンへの誘い

我らが敬愛するピアソラが弾いていた楽器、バンドネオン。

元々は、ドイツで携帯用オルガンとして生まれた楽器。

発明者は、ハインリッヒ・バントさんと、
まさにドイツ生まれな感じ。1835年のこと。

それが、アルゼンチンに渡って、タンゴのメイン楽器として、
使われるようになって、今に至る。

右手38個、左手33個のボタンがついて、
蛇腹を開いた時と、閉じた時では、違う音が出る!

ボタンの並び順も、鍵盤楽器のように、
ドレミファの順ではないそうで、弾きこなすのは相当大変だという。

しかも、この楽器は製造されなくなってしまったそうで、
現在では手に入れるのも困難な楽器。

そういうことで、バンドネオンとは、
そう簡単に目にすることもできなければ、
間近で生演奏を聴くなんてことも難しい、
「異国の」楽器だと、長らく思っていた。

ところが!

日本には10人ぐらいの奏者しかいないと勝手に思い込んでいたら、
なんと、100人ぐらいはいる、と耳にした。

急に、「バンドネオン」と一緒に弾くことが
いつか実現しそうな気になってきた瞬間だった。

今回、トリオで最後のライブを迎えるにあたり、
「トリオ最後」以外の目玉が欲しかった。

そこで、一か八かの「バンドネオン」共演作戦を
思いついたのだった!

我らと弾いてくれるバンドネオン奏者を見つけるのに、
1ヶ月ほどは、かかるだろうと思われた。

でも、思いつきから、たった数時間以内に、
念願の夢を叶えてくれたのが、
バンドネオニスタの仁詩さんだった!

こちらがどんな奏者かもわからないのに、
実現に向け、協力を惜しまない姿勢には、
マエストロと相通じるものを感じた!

ピアソラは、こう語っている。

「つまらない部分もあるが、
 あらゆる面を少しずつ持ち合わせていなければ、
 人生をやり遂げることはできないのだ」

バンドネオンには、そういう音がする。

人生、良いこと尽くめでは無いということ。

あれやこれやのことがあっての人生で、
陰もあれば、光もある!(笑)

バンドネオン奏者の動きを見てみて欲しい。

奏者の身体使いによって、楽器の蛇腹が生き物のように、
動き、変化し、心揺さぶられる響きがして、何て素敵な箱なのかと思う!

そんな素敵な楽器の真隣りで弾けるとは、
そして、初めて弾くバンドネオン奏者さんが、
仁詩さんであるとは、夢のようではないか!

ピアソラの音楽をバンドネオン入りで弾けるのも、最高の喜び!


仁詩さんのWebサイト冒頭に、
今回のライブに向けて、コメントくださっていた!

つい先日まで知らない者同士だったとは思えない
温かいコメントなので、ここに引用させていただく。

「#8月29日(日)は東京・茗荷谷の「ラ・リール」という素敵な場所で
 Piazzolla Time(ピアソラ時間)というアマチュアではありますが、
 情熱いっぱいの タンゴバンドにゲスト出演します。

 なんとこのバンド、オールピアソラのコンサートしか
 しないということでこういう名前に。

 僕、全部ピアソラのコンサートとかしたことないです(笑)

 僕自身もよい経験をさせてもらいに参加させて頂きます。
 皆さんのエネルギーに負けないよう頑張ります!」


そんな仁詩さんの奏でるバンドネオンをごく間近で聴く機会!

どうか、楽しみにお越し下さい!

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